お金に振り回されず、賢くお金を使って豊かに暮らしていくためには、お金についての知識が必要ですが、日本人は特にお金の話が苦手な民族です。
お金の相談なんて誰にもできないと思っている人、お金に対してネガティブなイメージを持っている人も少なくなく、人前でお金の話をすることは卑しいことだと感じる人もいるでしょう。
しかし、生きていく上でお金は必要なものですし、お金がなくては現実問題、生きていけません。
お金にまつわる悩みは誰しも持っているのではないでしょうか?それなら、お金の専門家に相談してみましょう。
お金の貯め方、使い方、上手な節約法など、お金についての正しい知識を身につけることによって、より良い人生計画を立てることができます。
今回は、どこに、誰にお金の相談をすれば良いのか、おすすめの相談先やお金の相談をするときのポイントについてわかりやすく解説します。
こんな人はお金の相談が必要です
とりあえず貯金があればお金の相談はいらない、と思っている人もいるかもしれません。しかしこれから続く長い人生、いつどんなピンチが訪れるかわかりません。
お金の知識が足りないと思ったら、お金の勉強をするタイミング。このような人は、ぜひ専門家にお金の相談をしてみてください。
- 金利が低いことは分かっていても銀行の定期預金くらいしか増やす方法を知らない
- 子供を一人育てるのにどのくらいお金がかかるのか分かっていない
- 老後の資金が足りるのか心配
- 貯金が増えない
- 夫婦でお金の管理をしていない
- お金の相談をできる人がいない
- お金の専門家を知っているけれど、プライベートなことなので知り合いには相談したくない
お金について独学で学ぶこともできますが、どのようなことを知りたいのか、その知りたい分野によっては専門家でないとわからないこともあります。
客観的な意見をもらうためにも、上記のような人はお金の専門家に相談した方が良いでしょう。
お金の相談前に知っておくべき基礎知識
漠然と「どうしたらいいですか?」と聞かれても、専門家も何をアドバイスすれば良いかわかりません。
限られた時間内で的確なアドバイスをもらうためには、お金の相談する前に考えておくことがあります。
お金の相談は基本的に無料でできる
弁護士や税理士といった「士業」への相談は有料の場合もありますが、保険や資産運用などの相談は、基本的に無料でできます。
ですので、相談者からは料金を取らなくても大丈夫なのです。
相談する回数や時間が決まっているもの、回数無制限のものなどサービスはいろいろですが、初回からお金を取られることはないので安心してください。
現在の自分のお金の状況について把握しておく
意外とできていないのが、現状把握です。収入については分かっていると思いますが、毎月どのくらいの支出があるのか、貯蓄はどのくらいできているのかなど、今の自分のお金の状況を知ることが大切です。
特に、家計をパートナーに任せていて、自分では特にタッチしていないという人は、この機会に現状をしっかりと把握しましょう。
家計簿をつけている人はひと目でわかると思いますが、もしつけていない場合は、昨年1年の収支と貯蓄をざっくりと計算してみてください。
給与明細や源泉徴収票があれば、収入はわかると思います。
支出は家計簿をつけていないと細かい点まではわからないですが、たとえば手取りが30万円で毎月の貯蓄が0円なのか、3万円なのかなど、ざっくりとした方法でもかまいません。
少しでも貯蓄ができているなら収支はプラス、貯蓄ができていないなら、プラスマイナス0か、もしくは赤字です。
相談する前に、現在の家計がどのような状況なのかを把握した上で、住宅ローンの金額や保険の金額がわかる書類を用意しておくと、話がスムーズに進みます。
今後のライフプランを考えておく
お金をどう使っていくか考えるには、どんな人生を送りたいのか、ライフプランが必要となります。
たとえば、以下のようなことを考えてみてください。
- 結婚する、しない
- 子供を持つ、持たない
- 家を買う、買わない
- 何歳で仕事を辞めるか
- 老後はどのように暮らしていきたいか
先のことはわからないという人もいるかもしれませんが、大まかにでもライフプランを立てることによって、この先いくらお金が必要になるかがわかってきます。
お金の相談をする目標を決める
ただ漠然と相談するのではなく、なぜ、お金の相談をしようと思ったのか、相談をしてどのような答えを得たいのか、相談する目標を決めておきましょう。
- 何かあっても安心して暮らせるように貯金をしたい
- マイホームを購入するための資金計画を立てたい
- 定年までに2,000万円貯めたい
など、何をしたいか考えておいてください。
自分の目標を明確にすることによって、貯蓄や投資の方向性が決まりますし、自分自身のモチベーションにもつながります。
何を相談したいのか質問を整理する
おおまかな目標を決めたら、質問事項も整理しておくと、有意義な相談時間となります。
- 新NISAについて詳しく知りたい
- 投資信託と株式投資の違いについて知りたい
- 医療保険は掛け捨てと貯蓄型、どちらがお得なのか
など、具体的な質問をピックアップしておくと良いでしょう。
質問の内容はどのようなものでもかまいません。こんな小さいことを聞いてもいいのかな?と思うこともあるかもしれませんが、そのようなことに真摯に対応してくれるのが本物の専門家です。
お金の相談は信頼できる人にしたいですから、相手の対応を見る意味でも、気になることはなんでも質問してみてください。
こんな時はここに相談する!悩み別・お金の相談先
お金の相談先がたくさんあって、何をどこへ相談したら良いのかわからない人へ、それぞれ適した相談先をご紹介します。
相談先 | 相談できること |
---|---|
ファイナンシャルプランナー | 家計の見直し、保険の見直し 貯蓄、資産運用 教育資金や住宅購入資金の計画 老後の資金の貯め方 ライフプラン |
銀行・証券会社 | 貯蓄、資産運用 保険 ローン |
保険会社・保険代理店 | 保険の見直し ライフプラン |
税理士 | 相続などの税金の相談 確定申告書の作成 |
弁護士 | 遺産相続 離婚調停 債務整理 ローン支払いのトラブル |
IFA | 資産運用、保険 節税 ライフプラン |
市役所・社会福祉協議会 | 公的支援 給付金、助成金 医療費、税金の猶予・減額 |
ファイナンシャルプランナー(FP)はライフプランも相談できる
ファイナンシャルプランナーは、幅広いお金の相談ができるのが特徴です。投資がしたいとか、生命保険を乗り換えたいなど、具体的な相談内容が決まっていなくても相談できます。
たとえば、
- なかなか貯金ができないので何がいけないのか家計を見直したい
- 今後のライフプランを一緒に考えて欲しい
- 投資について知りたい
など、漠然とした内容でも大丈夫です。
これから結婚、出産を控えている人やマイホームの購入を考えている人など、大きな出費がありそうな人は、ライフプランも含めて相談することをおすすめします。
そのため、資産運用の方針や方向性は相談できますが、どの金融商品が良いかを選んでもらうことはできません。
また、ファイナンシャルプランナーに相談できる分野は非常に幅広いため、それぞれの人に得意分野があります。
思ったような回答を得られないと思うこともあるので、同じ内容で複数の人に相談してみることをおすすめします。
相談の内容によっては、税理士や弁護士など他の適した専門家を紹介してくれることもあります。
銀行・証券会社は投資の相談先として最適
銀行は預金をするだけでなく、お金の相談にも乗ってくれます。証券会社も同様です。
- 貯蓄や資産運用に関すること
- 住宅ローンに関すること
- 相続に関すること
などの相談ができます。
資産運用に関しては、銀行よりも証券会社の方がより専門性が高くなります。株式投資、投資信託などの金融商品について知りたい人は証券会社に相談することをおすすめします。
銀行は金融商品も扱っていますし、預金やローンの相談もできます。
最近はネット銀行、ネット証券が便利ですが、実店舗を持っていて、対面での相談ができる銀行・証券会社なら、初めてでも安心です。
ただし、金融関係の会社は転勤が多く、数年ごとに担当者が変わってしまうというデメリットもあります。
保険会社・保険代理店は保険の見直しやライフプランの相談ができる
保険会社や保険代理店では、生命保険をはじめ、損害保険など各種保険の相談ができます。
- 保険料が高くて保険の見直しをしたい
- 今の自分に適した保険を知りたい
などの相談は、保険会社が適しています。
保険会社では、その会社の商品しか取り扱えないものの、複数の保険会社と提携している保険代理店では、自分にあった保険を見つけやすいでしょう。
保険の中には、個人年金保険や養老保険など、貯蓄性のある保険もありますから、老後の資金を考えたいという人にもおすすめです。
ただし、保険会社が取り扱っているのは保険のみです。投資信託などの金融商品は取り扱っていないため、幅広く資産運用の話をしたいという人には向いていません。
税理士は個人の確定申告や相続税についても相談できる
税理士は、税金の専門家です。所得税や確定申告だけでなく、相続税などの相談にも対応してくれます。
- 税務関係の書類を作りたい
- 節税対策を知りたい
- 相続税の手続きをして欲しい
などの相談をしたい人におすすめです。
確定申告書を作成するのは個人事業主や経営者なので、会社でやってもらえる会社員の人は、あまり相談する機会がないかもしれません。
一般の人が相談するなら、相続税関係になるでしょう。相続税は手続きの期間が10ヶ月以内と意外と短く、初めてですとなかなか難しいものです。
自分で手続きしてももちろん大丈夫なのですが、申告漏れがないように、専門家に依頼した方が安心です。
また、会社員など普段は自分で確定申告をすることのない人も、副業で収入を得た場合などは確定申告が必要になります。
手続きや節税対策について相談すれば、適切なアドバイスをもらえるでしょう。
弁護士は法律に関連したお金の相談ができる
弁護士は法律の専門家であり、お金の専門家ではないのですが、法律が関わるトラブルで、なおかつお金が絡んでくる話であれば、相談可能です。
たとえば相続税に関して、遺言書が作成されていなかったために家族間でトラブルとなってしまった時、遺産分割協議は弁護士を交えて行った方が良いでしょう。
場合によっては話し合いで解決できず、裁判にまで発展することも考えられます。
- 離婚協議に関わる慰謝料や養育費の問題
- 多重債務者となり債務整理がしたい
- 自己破産の手続き
- 未払いの給料や残業代を会社に支払って欲しい
など、お金の問題が関わってくるトラブルなら、弁護士に相談するのが最適です。
また、闇金の借金を抱えてしまっているという場合も、闇金問題に強い弁護士に早急に相談した方が良いでしょう。
IFA(金融商品仲介業者)はライフプランの相談から資産運用についても相談できる
IFAは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことで、証券会社と同様に、具体的な金融商品のアドバイスもしてくれます。
IFAの中にはファイナンシャルプランナーの資格を持っている人も多く、お金の問題だけでなく、ライフプランについても幅広く相談に乗ってもらえる可能性もあります。
ファイナンシャルプランナーは投資信託などの金融商品を紹介することができませんが、IFAは金融仲介業者として商品を選ぶことが可能です。
ライフプランを相談しつつ、投資など先を見据えた資産運用についても相談したいという人におすすめの相談先です。
市役所・社会福祉協議会は給付金や公的な貸付について相談できる
市役所や社会福祉協議会は、仕事が見つからず生活が困窮している人や一時的に収入が減少して税金・保険料が払えなくなっている人が相談する場所として適しています。
福祉の担当窓口がありますので、利用できる給付金や貸付制度を教えてくれるでしょう。
少しでも保険料や税金の支払いを減らすことができれば、家計の負担も減らせるはずです。
たとえば、生活福祉資金貸付制度は、一時的に生活が困窮している人が生活を再建するまでの費用を借りることができる制度です。
お金を借りるだけでなく、自律相談支援事業による支援を受けながら、一人一人にあった支援プランも作成してくれます。
お金の問題だけでなく、仕事や住居の問題なども幅広く相談できますので、生活が困窮している人はぜひ頼ってください。
信頼できるお金の相談先の選び方のポイント
ここまでさまざまな相談先をご紹介してきました。おおまかに相談の方針を決めたら、実際に相談する相手をどうやって見つけるのか、具体的な選び方について解説します。
特定の企業に属していない独立系がおすすめ
具体的に購入したい金融商品が決まっているとか、投資先を選びたいという目的ではなく、お金全般に関わる相談がしたいというときは、特定の企業に属していない独立系のファイナンシャルプランナーやIFAに相談することをおすすめします。
たとえば、今の保険を見直したいという時、特定の保険会社に相談すると、当然のことながらその会社の商品しか紹介してくれません。
ですので、初めて相談するなら、独立系のファイナンシャルプランナー、IFA、保険代理店などがおすすめです。
それぞれの相談先の強みを理解して相談する
お金の専門家は、それぞれ得意とする分野があります。
ファイナンシャルプランナーやIFAなどにライフプランを相談するにしても、保険商品の見直しに強い人、資産運用に強い人など、強みが違います。
最初はホームページなどを見て、どういった相談を多く受けているのか把握し、自分が相談したい分野に強い人を探しましょう。
その上で自分が欲しい答えを出してくれるかどうか、何人かに相談してみることをおすすめします。
口コミや評判もチェックする
相談する前に、口コミや評価がどうなっているかもチェックしてみてください。口コミは利用者の主観的な感想ですので、自分には当てはまらない可能性もあります。
しかし、ひとつの目安にはなりますので、評価の参考にしてみてください。
また、過去の活動実績などもチェックしましょう。どのような案件を取り扱っているのか、利用者の口コミとともに見てみると、自分が悩んでいる内容を相談しやすい相手かどうかがわかります。
どんな小さな質問、疑問にも丁寧に話してくれる人を選ぶ
最初は無料相談などを利用して、相性の良い相手か確認しましょう。
お金の相談が初めての人は何から話したらいいのかすら分からないですし、専門家にとっては基本的なことも全く知らない人の方が多いのです。
ですから、右も左も分からない初心者でもわかるように説明をし、丁寧に対応してくれる担当者を探したいものです。
適切なアドバイスをもらうことも大事ですが、貴重な時間を使って相談するのですから、気持ちよく話せる人、信頼できる人を探すことが何よりも重要です。
1ヶ所で決めないで複数に相談してから決める
最初に相談したところが丁寧で良かったと思っても、同じ相談内容で複数のところに相談してみてください。
それぞれアドバイスも、おすすめされる商品も違うはずです。おすすめの理由をよく聞いて比較し、最も自分のためになりそうなアドバイスをしてくれる人を選んでください。
お金の相談は基本無料のところが多いですから、信頼できる相手なのか、しっかりと見極めてからお願いしましょう。
お金の相談に関するよくある質問とその回答(Q&A)
お金の相談に関して、よくある疑問や質問、その回答についてまとめました。
お金の相談はどこにすればいいですか?
お金の相談先は、その相談内容によってさまざまです。
保険の見直しなら保険会社・保険代理店、投資など資産運用なら銀行や証券会社などがおすすめです。
家計の見直しやライフプランも含めて、幅広い相談をしたいなら、ファイナンシャルプランナーやIFAが良いでしょう。
まずはどんな相談をしたいのか、どのようなアドバイスが欲しいのかを明確にした上で、相談先を選ぶことをおすすめします。
お金の相談は無料でできますか?
ファイナンシャルプランナーやIFAへの相談は、基本的に無料でできます。「ファイナンシャルプランナー 無料相談」「IFA 無料相談」などで検索してみてください。無料の相談窓口が出てくるはずです。
なぜ無料なのかというと、保険や投資商品など、実際に販売した時の手数料が報酬となるため、相談者からは料金をとっていないのです。
ただし、2回目以降の相談は有料という場合もありますので、念のため、何回まで無料のか確認してから利用してください。
弁護士や税理士も、初回の相談のみ無料で行っている場合があります。市区町村や福祉協議会はもちろん無料です。
お金の相談をするときに注意すべきことはありますか?
お金の相談をするときは、悩みが漠然としていたとしても、方向性くらいは決めてから相談しましょう。
お金の相談先によって、得意・不得意があります。
たとえば家計の無駄を知って貯金を増やしたいならファイナンシャルプランナーがよいですし、iDeCoやNISAについて知りたい、具体的におすすめの金融商品を知りたいならIFAがおすすめです。
- 貯金をしたいから家計の見直しをしたい
- 子供が生まれたので教育資金を貯めたい
- 老後資金のために今から資産運用をしたい
など、大まかでも良いのでどんな相談をしたいか考えてから相談先を選びます。
お金の相談は基本無料でできる!何を相談するかよく考えてから相談しよう
家計や保険の見直し、資産運用、税金や相続についてなどお金で困っていることがあるなら、専門家に相談するのが一番です。
お金の相談は基本無料でできますので、安心してください。
相談内容によって、適した相談先が違います。今回は、相談先ごとにどのようなことを相談できるか一覧でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
相談する前に、どのようなことで悩んでいるか、どのようなアドバイスを受けたいのか考えておくことをおすすめします。
漠然とした悩みでも、家計の見直しをしたい、保険料を節約したいなど方向性を決めておくだけでも相談がスムーズに進みます。